現れる模様に何かを感じることがあるかないか、そこは微妙な分かれ道です。汚れやカスレは時には魅力的な模様を作るし、時には暗示的でもあります。
勿論、なにも感じなければそれでも良いのです。私も全てのことに何等かを感じているわけではありません。しかし感受性は多くても悪くはありません。
印画紙というよりこれはフィルムと言った方が良いでしょうか。タイトル上のことで大した意味はありません。どこかの風景を撮影したもののように、一見、池か湖のような風景が下部に見えます。上は殆ど空でしょうが、何が出現しています。
映画を観ていると、時々映写機からカラカラと音を立ててフィルムが外れるときのシーンを暗示的に入れることがあるようです。改めて探すとなるとなかなか見つけられないのですが、過去には何度も見かけました。あのようなシーンが度々用いられるのはどんな理由からでしょう。
そうです、あの頃から、というよりこれは時代とは関係ないのですが、古いフィルムに、シミかカビか汚れか知れませんが、シーンに浮かび上がる映像を眺めて、まあ、これはちょっと説明が難しいのですが、ぼんやり眺めていたことがあります。
つまり、なんであっても誰かが敢えて工夫したものではないところの模様とでもいうのか、描くものよりもそういうものに魅かれるのです。