ややこしい言い方です。しかしそう例えるしかありません。ある日私は無造作に重ねられた、すっかり枯れた切り枝を路傍で見つけました。樹木は伸びるのでたまに切り落としてやらねばなりません。町内でも時折は道路に伸びた危険な枝を伐採しています。余談ですがこんな場合は持ち主との関係でちょっと面倒だったりもするのですね。しかしとにかく日常的にそのようがことがあります。
山に入っても同じような場所を見つけることがあります。伐採した大きな枝を積み上げて長い間放置している場所があります。訊けばこの場合はそのまま腐らせてしまうそうですが、そんなに早く土に還ってくれるのでしょうか。私にはなんとも不思議な世界のように感じます。
普通なら何等の関心もないそんなものにでも、ちょっと目を向けてやればなかなか面白い形をしていると感じるのです。上の写真などは偶然ですが、幾つか重なった枝が、エビか或いは触手を持った昆虫の頭のようにも見えます。もしかしてザリガニを連想できるでしょうか。
樹木は、もし描画を考えると、実はかなり厄介なものだと思います。一筋縄の観察と修練では描けない気がします。事実私にも容易ではありません。風景画を描く多くの人も、実はどうやら樹木は苦手のようです。樹木そのものが風景画の中心とは考えられていないからでしょう。例外はありますが、わき役が多いような気がします。
しかしながら単独で樹木を観察してみると、描く対象としてなかなか魅力的なものがあると思います。もし彫刻刀があれば、ちょっと太い幹に何かを刻めるかも知れません。今の私にそこまでの余裕はありませんし、情けないことにせっかくオブジェを制作しても置くところすらないのですが、いつかトライしてみたい誘惑を感じることがないでもありません。それは本当に残念なことですが、取り組んでみたい多くのことを考えると、私にはあまり多くの時間が残っているとは言えません。せめていつか、何らかの形で現代アートとして取り入れてみたいと思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿