なんと言うことのない描画途上のスケッチも、ちょっと観方を変えてやると別のイメージが浮かんでくることが少なくありません。或いは失敗したと思われたスケッチでも別のいろんな角度から眺めると意外に興味深い部分があったりするものです。
そんなときどうすればよいでしょう。私はできるだけマメに記録を取って置くべきだと思っています。描画が進めばその瞬間は失われてしまいます。私はそんな意味でも、描画初期、つまり描き出しのイメージや中途の段階をなるべく写真に撮るようにしています。そして事実上非公開のブログに個人の記録として保管しています。必ずしもブログにする必要はないのですが、その時の考え方やひらめきを記録しておくことができます。これは小さなことではないと思います。それなりの手間は取られますが意味はあると思います。
途中ですから、そこで作品になっている必要はありません。全然荒っぽくても汚れていてもOK。何等かを想起させるものがあれば良いのです。どんなことであってもアートに関して取り組めばマメに資産を作っておいた方が良いのではないでしょか。その意味で言えば日頃の練習、うまく行ったりしくじったりあるいは偶然別のものができてしまったりと、それらは全て資産だと思います。無駄は何一つないとの考えです。
練習や経験が積み上がれば、過去には何らのひらめきを受けなかったものからでもの興味深さを抱くことが少なくないと思います。捨てるものだと思っていたものが意外に生きたりすることがあります。もしかしたらそんな時は、自分がより深くなっているのかも知れないし幅が増しているのかも知れません。
上の絵はガッシュによる描画ですが、本来とは別に、逆さまにしたイメージです。案外この方が面白いかなと思ったりしています。記録さえ取っておけば次に生きるかも知れません。
それが固形であってもなくても、絵の具が置かれればそれが私達の脳にイメージを思い起こさせる。私はこのことに関心を持って絵を描いています。これは後にも詳しく述べたいと思いますが、この点では多くの人とはかなり違った取り組みをしていると思います。正直なことを申し上げれば、世間一般に見られる絵画論や技術論にはあまり関心がありません。
他を否定しているのではなくこれは取り組みの違いです。少しずつ記事にできればと思います。
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